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<歴史>

東大前商店街はかつて井の頭線に東大前という駅があったので、その名がつけられた。その前は一高前という駅名だったので一高前商店街と呼んでいたそうだ。井の頭線が帝都電鉄として開通したのは昭和8年で、当初は東駒場という名称だったが昭和10年に一高が移転してきたため、一高前となったものだ。

東大前駅と駒場駅が別の駅だった昭和40年(1965年)までは、東大前商店街は、文字通り東大前駅の駅前商店街だったのだ。東大前駅の改札口は現在の駅の東口から出て線路沿いにある道の終点にあたる踏み切りの中にあった。現在の通路のところに線路があり、真ん中がホームだった。改札口を出て踏み切りの先の石段を降りると商店街。階段の方向と反対に改札口を出て線路を渡ると、東大の正門に向かう道と、駒場寮に向かう道があった。駒場寮は平成3年に廃寮が発表され、平成13年に強制退去により取り壊されたが、この踏み切りは寮と商店街を結ぶ一高時代からの通路だったのだ。

<商店街>

東大前商店街は踏み切り前の石段から始まり、「東大前商店街」と書かれた電光表示が電柱の上にある。階段を下りた先の四つ辻が商店街の中心だ。とはいっても駐車場が一角を占め、かつての喫茶店ZiZiの後には新しいビルができて、1階に広尾のアレグレスの工場が入った。リスブランというケーキ屋と佐々木時計店が斜めに向かい合う。その手前は昔風の洋品店のフクヤマと、東大の学生に人気のある弁当専門店のもっくもっく。四辻をまっすぐ先にいくと居酒屋のさわやか、和菓子の橘屋青木理髪店人見医院と続く。その先の坂道は2又に分かれるが、住宅地を通りいずれも淡島通りに出る。

階段の上、踏み切りの横にダンスパブモーゼルがあるが、ここは社交ダンスのレッスンを受けられるということで社交ダンスの愛好家には有名らしい。踊らなくてもいいのだが目の前の練習風景を見ることになる。

階段の下の四辻を左に行くと駒場郵便局、パンと雑貨のかどや、割烹英香、カットだけ20分2800円のコースもあって便利な理髪のライン、喫茶イーグルコミュニティストアスルガヤ、劇作家の平田オリザさんが支配人をつとめるこまばアゴラ劇場などがある。アゴラ劇場の向いは東大電気。電気製品の設置は大型店より安心だ。商店街は井の頭線のガードの先まであり、青果とクリーニングの盛岡屋が最後だ。夜になると魚屋の車がやってくる。その手前にある不動産屋のネオスカイでは、東大の学生などの駒場での住まい探しに親切に対応する。

階段を右に行くと、弁当も評判の太田屋肉店、定食がおいしい菱田屋キッチン南海などがあり、たこやきのみしまは駒場で学生時代を過ごした人たちになつかしい店とされている。建石歯科医院を過ぎると西口が近い。途中の市沢文具店からも線路へ向かう道があり、その反対側には聖徳寺という浄土真宗のお寺がある。

現在の駒場東大前駅はかつての東大前駅と駒場駅との中間にある。東大前駅に近かった商店街は駅から遠くなってしまったのだ。東口も西口も駅前には公務員宿舎が目立つ。

割烹英香の奥の裏道にあるオーチャードバーは夕方6時の開店になった。ラテン系の音楽をレコードのアナログ音で聞かせてくれ、静かなムードは夜中の談話室としても貴重な場所となっている。

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